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ほとけさまのお話

2020/06/08 無常

六月といえばアジサイ。アジサイは時期により色が変わっていくことから「七変化」とも呼ばれ、「無常」という花言葉もあるそうです。

「無常」とはあらゆるものは常に変わりゆくという意味で、日本では『平家物語』(「祇園精舎の鐘の聲 諸行無常の響あり。…」)に代表されるようにどこか悲嘆的な意味にとられます。しかし仏教が説く「諸行無常」は決して悲嘆的なだけの言葉ではありません。

仏教の詩を多数作っておられた詩人の坂村真民さんの「花」という詩があります。

 

  花には

  散ったあとの

  悲しみはない

  ただ一途に咲いた

  喜びだけが残るのだ

 

無常の悲しみを超え、咲いた花の一瞬の「いのち」のかがやきを教えてくれる詩です。アジサイの花も、私たちのいのちも、咲いたら散りゆく定めを悲しむのではなく、今咲いているこの上ないかがやきを喜ばせていただきましょう。

副園長

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