ほとけさまのお話
2023/11/03 人と比べない
お釈迦様のお弟子にチューラパンタカという人がいました。彼の兄は優秀でしたが、チューラパンタカは自分の名前も覚えられないほどに物覚えが悪かったのです。そんな自分のことが情けなくなったチューラパンタカはお釈迦様に「なぜ私はこんな愚かなものなのでしょう」と嘆くと、お釈迦様は「あなたは自分の愚かさを知っている。多くの人は自分の愚かさを知らない。それは大切なことだよ。」とお話になりました。そしてお釈迦様は1つチューラパンタカに修行を与えました。「塵を払い、垢を除かん」と口にしながら掃除をすることでした。
チューラパンタカはその言葉だけを覚え、一本の箒でひたすらに掃除を続けました。そんな日々の中でチューラパンタカはある日、「汚れているのは自分の心だったのか」と自らの煩悩に気付いたのでした。
人と比べて私はどうかということより、私が私のままで本当に豊かに歩める道は何かということを教えていただくのが仏教のみ教えです。
副園長