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ほとけさまのお話

2023/12/01 さそりの火

<昔、一匹のさそりが小さな虫などを食べて生きていました。ある日いたちに見つかり、食べられそうになります。逃げている途中で、さそりは井戸に落ちてしまいました。溺れてしまったさそりはそこで祈ります。

 「ああ、私はこれまでどれだけの命を奪ってきたかわからない。そして私が今度いたちに追われたらあんなに必死に逃げた。どうして私は私の体をいたちにくれてやらなかったのだろう。そうすればいたちも一日は生き延びたろうに。神さま、どうかこの次にはまことの皆の幸せのために私をお使い下さい。」するとさそりの体がまっ赤な美しい火になり、夜の闇を照らしていったのでした。>

これは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』で出てくるお話です。色んないのちに生かされてきた私たちが命を終えて仏さまに成らせていただくというのは、このような願いに生きるということなのでしょう。

副園長

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