ほとけさまのお話
2024/11/19 祝婚歌
二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい 立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだとうそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい 立派でありたいとか
正しくありたいとかいう 無理な緊張には 色目を使わず ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
(吉野弘「祝婚歌」)
私には何が正しいかわからない。だからこそ、仏さまの言葉をよりどころにしながら生きていく。そんな仏さまの前に座り頭を下げていく私は、この詩のような生き方をさせていただくのでしょう。
副園長