ほとけさまのお話
2022/05/25 泣きじいさん
あるお寺の前に「泣きじいさん」が住んでいました。このおじいさんには傘屋に嫁いだ娘と、草履屋に嫁いだ娘がいました。
そんなおじいさんはいつもしょんぼりしています。晴れの日には「おばあさんや、今日は雲一つない晴天だね。これでは傘が売れないだろうに…。」と肩を落とす。雨の日には「おばあさんや今日は雨だね。これでは草履は売れないね。」と涙を流す。そうやっておじいさんはどんな天気であっても悲しんでばかりでした。
そんなおじいさんをみたお寺のお坊さんがこんなお話をしたそうです。「そうは言うけどおじいさん。雨の日には傘が売れて傘屋の娘さんは喜んでいるんでないか?晴れの日には草履が売れて草履屋の娘さんは喜んでいるんでないか?そう思えば悪い天気などないだろうね。」それを聞いたおじいさんはどんな日も空を見上げては喜ぶようになりました。
晴れにも意味があり、雨にも意味がある。人生の出会いにも意味があり別れにも意味がある。どんな事実の上にも意味があると知れば、どんな時も手を合わせる心がめぐまれていくのでしょう。
副園長