ほとけさまのお話
2022/07/04 キツツキとヒヨドリ
仲良しのキツツキとヒヨドリがいました。ある日、キツツキはヒヨドリを喜ばせたくて自分の住んでいる森に招待しました。キツツキは木を硬いくちばしでつついて、その森にしかいない虫を捕まえてヒヨドリに食べさせてあげました。ヒヨドリは「こんなおいしい虫を食べたのは初めてだ!」と喜びました。その後、二羽は一日遊んで日が暮れてきたのでキツツキは「そろそろ帰らないとね。」と言うとヒヨドリは「さっきの虫がまた食べたいからここに住むことにするよ。」と言いました。キツツキは「君のくちばしでは木をつつくことはできないよ。」と言いましたがヒヨドリは聞く耳を持ちません。お腹がすいたヒヨドリは木をつつくと、ヒヨドリの弱いくちばしは折れてしまいました。ヒヨドリはそのまま木に頭をぶつけてしまい、落ちて死んでしまいました。(『ジャータカ』)
私たちは一人ひとりできること・できないことがあります。他の子は誰でもできることが自分の子にはできないこともあるでしょう。しかし本当の教育とはみんなと同じことができるようにすることではなく、その人にぴったりの生き方を一緒に見つけていくことなのかもしれません。
金子みすゞさんの「みんなちがってみんないい」という詩はまさにそのことを教えてくれているのでしょう。
私が両手をひろげても お空はちっとも飛べないが 飛べる小鳥は私のやうに
地面を速くは走れない 私がからだをゆすっても きれいな音は出ないけど
あの鳴る鈴は私のやうに たくさんな唄は知らないよ
鈴と、小鳥と、それから私 みんなちがって、みんないい
副園長