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ほとけさまのお話

2020/11/18 寒苦鳥

インドのある所に寒苦鳥(かんくちょう)という鳥がいました。この鳥は一日中、おいしい実を食べたり、木陰で休んだりして遊び惚けていました。日が沈み、山上から冷たい風が吹いてくると、鳥は巣を作っていないことに気付き、「明日こそはこの寒さを凌げる巣を作ろう」と凍え苦しむのでした。しかし、朝になり暖かくなってくると、鳥は夜の寒さなど忘れてしまい、また一日中好き放題に遊び暮らし、夜になると寒さに凍え、苦しみの鳴き声を響かせるのでした。

この寒苦鳥のお話は、仏さまのお話を聞こうともしない私たちの怠け心を喩えて作られたお話です。仏教は生老病死を抱えたいのちの意味を教えてくださいますが、生きていることが当たり前になり、いのちの終わりから目を逸らしながら生きている私はなかなか耳を傾けません。

最近厳しくなってきた朝晩の冷え込みの中で寒苦鳥のお話が思い出される度に、「無常のいのちを生きる私も今、仏さまの教えを聞かせてもらわないとなぁ」と教えられます。

副園長

 

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