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ほとけさまのお話

2021/05/24 敬う心

仏弟子の常不軽菩薩はお経を深く理解されていたわけでもなく、また厳しい修行をなさる方でもありませんでした。しかしそんな彼は、お名前の通り、常に周りの方を軽んじることなく、敬いながら生きたお方でした。周りにだれか来るたびに、「私はあなたをお敬いします。なぜならあなたは仏様となるお方なのですから」といって礼拝しました。いつどこで会おうとも、何度会おうとも頭を下げていました。すると周りの人はおべんちゃらを言われて馬鹿にされているように感じていきました。いつしか、みんな常不軽菩薩を避けるようになり、ついには「あっちにいけ」と突飛ばしたり、「こっちにくるな」と石を投げたりするようになりました。すると常不軽菩薩は石の届かないところまで下がっていって、遠くから「私はあなたをお敬いします。なぜならあなたは仏様となるお方なのですから」と礼拝を続けたそうです。そうやって周りの方のいのちを敬い、軽んじることなく生き続けた常不軽菩薩は悟りを開かれていきました。

『法華経』というお経に説かれたこのお話。私たちは好き嫌いで人を判断してしまいがちですが、「だれもが仏さまに成る尊いいのちだ」と知らされるところに、周りの人たちを大切にしなくてはと教えられます。

副園長

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