ほとけさまのお話

　山には大きな木が並んでいて根元にはほんとに木漏れ日程度しか光が入りません。それなのに新しい木が育ったり、下に植物が生えたりします。これは大きな木の根から栄養が漏れ出ているんだそうです。

ある実験で三本の木を植えて、右と左の木にカバーを被せて光が当たらないようにしました。しかし、左右の木も枯れることなく育ったそうです。これは光を受けている真ん中の木から栄養が漏れ出ていて、それによって周りの木が生かされているということでしょう。

「助けてあげよう」という気持ちがあるわけではないのに、木から周りを生かす栄養が漏れ出ているように、誰のためにもなっていない無駄ないのちなどないのでしょう。

副園長